世界に誇るオイルコードバンのタンナー、新喜皮革について。
革小物やコードバンに興味がある方なら、一度は耳にしたことがある名前だと思います。 『新喜皮革』。 今回は、世界中の革小物や革靴ブランドから高い評価を得ている、この日本が誇るタンナーについてご紹介いたします。 オイルコードバンの特徴や魅力について調べている方も、ぜひ参考にしてみてください。
日本が世界に誇る馬革専業のタンナー、新喜皮革とは。
新喜皮革は、ヨーロッパ原皮を鞣しから仕上げまで一貫生産している、1951年創業の馬革専業のタンナー(皮革製造工場)です。 皮からコードバン層を傷つけずに綺麗に削り出すには熟練の技が必要ですが、新喜皮革では30年以上にわたる研究と技術の研鑽により、世界に誇る高品質なコードバンの生産に成功。 馬の臀部内にしか存在しない緻密なコードバン層を裏側から削りだし、およそ10カ月をかけて仕上げています。 同社が手がけるコードバンは「オイルコードバン」「蝋引きコードバン」「顔料コードバン」「マットコードバン」と、さまざまな種類がありますが、なかでも「オイルコードバン 」は日本国内のみならず、世界中のブランドから高い評価を得ています。
新喜皮革が手がけるオイルコードバンの特徴。
新喜皮革の「オイルコードバン」には、表面にグレージング加工が施されたタイプと、表面加工が施されていないナチュラルなタイプが存在します。 いずれも、コードバンとしてはサラッとした風合いが特徴ですが、グレージング加工がされたものは潤沢な光沢により、他の革素材とは一線を画した質感となっています。 また名前のとおりオイルをしっかりと浸透させているので、折り曲げへの耐久性が高く、さらに染料のみのアニリン仕上げによる、自然な高級感が魅力です。 エイジングの特徴は、より深い経年変化を楽しめるところ。日々使ううちに革表面に塗られたオイルが深くまで浸透し、透明感と艶と光沢をキープしながら、絶妙な色合いや質感の移り変わりを楽しめます。 その一方で、表面は傷付きやすく、また雨に濡れると表面の光沢がなくなります。ただし、いずれも適正なお手入れをすればある程度は回復できますので、ご心配なく。
ホーウィン社のシェルコードバンとの比較。
革好きの間でよく話題になる、新喜皮革の「オイルコードバン」とホーウィン社の「シェルコードバン」との比較ですが、先に結論を申し上げると、両者の間に優劣はありません。 ただし、それぞれの特徴に違いはありますので、そちらをご紹介いたします。 ホーウィン社の「シェルコードバン」は、最初からヌラッとした光沢を有しているのに対し、新喜皮革の「オイルコードバン」は繊細で、最初はややマットな表情です。 またホーウィン社の「シェルコードバン」は、自然な風合いに近い色ムラが特徴的ですが、新喜皮革の「オイルコードバン」は、色ムラがほとんどない均整な色合いです。 最初はスムースでマットな表情の新喜皮革の「オイルコードバン」の方が、必然的に使い込むほど表情が変化すると言われています。
万双では、新喜皮革の「オイルコードバン」を使用し、数多くのアイテムを展開しています。
万双では、新喜皮革社が鞣した革に、レーデルオガワ社が水染めなどの加工を施したコードバンを使用し、製品化しています。 名刺入れや財布、定期入れにシューホーン、キーケースや手帳、アップルウォッチバンドなど様々な革小物を展開。カラーは「ネイビー」と「ボルドー」をご用意しています。 いずれも、長年コードバンにこだわり続けてきた職人達による、技術の結晶とも呼べる素晴らしい仕上がりを堪能できます。 ぜひ一度、手にとってご確認いただければと思います。