コードバンのエイジング(経年変化)を十分に楽しむ方法。
コードバンと言えば、「エイジング(経年変化)」が楽しめる革として知られています。
しかし、コードバンの仕上げ方法や日々の使い方などによって、エイジング(経年変化)の様子が大きく変わることはご存知でしょうか?
ここでは、コードバンのエイジング(経年変化)の魅力とともに、十分に魅力を引き出すための方法についてご紹介いたします。
コードバンのエイジング(経年変化)に興味がある方は、ぜひご覧ください。
「使い込むほど美しくなる」がコードバンのエイジング(経年変化)の醍醐味。
コードバン製品を新品で購入した時に「光っていない」と思われる方も多いと思います。
たしかにほとんどのコードバンは、新品時は特有のギラッとした光沢や艶がありません。
また、新品なのに湾曲部などの部分がザラザラしていると感じた方も多いのでは?
これは決して不良品などではなく、ほとんどのコードバン製品は新品時にオイルが十分に革全体に行き渡っていないため、こうした状態になります。
この「光っていない」「ザラつきがある」という状態がどうしても気になる場合は、乾いた柔らかい布で繊維を寝かせるように磨くという方法もあります。
しかし基本は「使い込む」のが一番。
コードバン製品は使用を重ねることでオイルが革全体に周り、さらに手の脂も吸い込むことで、表面がオイルでコーティングされたような状態になり、ザラつきが自然と抑えられ、またコードバン特有の光沢や艶が出てきます。
使い込むほど美しくなる。これがコードバンのエイジング(経年変化)の醍醐味です。
仕上げや加工方法によって変わるコードバンのエイジング(経年変化)。
一言でコードバンと言っても、仕上げや加工方法によってエイジング(経年変化)の様子が大きく変わることは意外と知られていません。
一般的に「オイル仕上げ」や「染料仕上げ」のコードバンは、使い込むほど艶や光沢が出てきて、自然素材の風合いを楽しむことができます。
一方で「顔料仕上げ」のコードバンは、耐久性を高めるために表面を顔料でコーティングしているため、エイジング(経年変化)を実感しにくく、「新品の風合いを残したい」という方に向いていると言えます。
また同じ「オイル仕上げ」や「染料仕上げ」のコードバンでも、製造の最終工程でグレージング加工が施されているか否かによって、エイジング(経年変化)か変わってきます。
加工が施されたものは、使い始めてすぐにコードバン特有の光沢を味わえますが、加工が施されていないものは最初はマットな質感で、光沢や艶が出てくるまで多少時間がかかります。
コードバンは、仕上げや加工によってエイジング(経年変化)の様子が変わるので、お好みのエイジング(経年変化)に合わせて選んでみましょう。
使い方によっても変わるコードバンのエイジング(経年変化)。
たとえばコードバンの二つ折り財布の場合、カードなどを多く収納していると大きく膨れ上がり、そのぶん摩擦によって光沢が出やすくなります。
小銭入れの場合も、硬貨をたくさん収納しているとアタリ(凸部分)が出やすく、そこが摩擦によって光沢を帯びてくるなど、日々の使い方によってもコードバンのエイジング(経年変化)は変わってきます。
さらに日々のお手入れでも、エイジング(経年変化)は大きく変わってきます。
ブラッシングを怠ったり、長期間クリームを使ったお手入れをしないでいると、油分が抜けてしまい表面が曇ったりカサつくことも。
使用後は必ずブラッシングをして埃を落とし、「表面がカサついてきたな」と思ったら、クリームを使って磨くのも、コードバンのエイジング(経年変化)を楽しむ基本です。
万双のコードバン製品のエイジング(経年変化)について。
万双では、伝統的な水染め染色方法である「アニリン染め」を施したコードバンを使用しており、 使い初めはマットな表情ですが、ご使用いただくうちに革内部のオイルが表面に湧き上がり自然な光沢が現れます。
使い込むうちに革の艶が増し色味も少し濃くなっていき、表面の光沢と素材の質感が上がることで、上質な品位を感じさせてくれるのが万双のコードバン製品の特徴です。
また長年使い込んでもコードバン特有の艶や光沢をお楽しみいただけるよう、折り曲げる箇所が起毛しやすいコードバンの特性を考え、職人が事前に最適な部位を選んで使用しています。
日々のお手入れは、柔らかな綿布で乾拭きして表面についている埃や気になる指紋の部分を拭き取れば十分ですが、コードバンを美しく艶やかにエイジングさせるために、弊社オリジナルの「エイジングクリーム」を併用してお手入れを行っていただくことをお薦めしております。
テレビドラマをきっかけに、一気にブランドを知られるようになった万双。
1995年に設立、「製造直売」メーカーとして現在の上野の小さな店舗を開設。以来、原点であり代表作となる「ダレスバッグ」をはじめ、バッグの製造技術の粋を詰め込んだ財布や革小物など、皮革製品の品質と技術の追求をしてきた万双。
設立当初より革製品を愛するお客様から熱いご愛顧をいただいていますが、広く名前が知られることになったきっかけが、テレビ番組と聞くと意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
2014年に「俺のダンディズム」(テレビ東京系)という深夜ドラマでコードバン財布を取り上げていただくと、放送直後からオンラインショップにアクセスが殺到しサーバーがダウン。オンラインショップが復旧するや注文が殺到し、今度は出品してもすぐに売り切れに。
しばらくはこうした状態が続き、多くのお客様にご迷惑をおかけすることになりましたが、それでも品質に妥協することなく、納得のいく製品だけを販売してきました。
その結果、当時お買い上げいただいたお客さまから今でもご愛顧いただいているのが、我々の自慢であり誇りです。