ブライドルレザーの手入れの基本についてご紹介します。
ブライドルレザーは馬具用として開発されただけあって、非常に堅牢で耐久性が高いのが特長。
そのため、新品を購入してからしばらくは、オイルやクリームなどを使ったお手入れは必要ありません。
しかし一日でも長く使うためには、適切な手入れが必要となります。
ここではブライドルレザーの手入れの基本についてご紹介します。
ブライドルレザー製品をお持ちの方はもちろん、これからご購入予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
使い始めのブライドルレザーの手入れ方法について。
ブライドルレザーの伝統製法では、水分が革に浸透するのを防ぐと同時に革の強度を保つために、何度も蜜蝋と動物油脂を混ぜ合わせた「ブライドルグリース」を塗り込み繊維を引き締めます。
そのため、使い始めは柔らかい布やブラシなどでさっと埃を払うだけで手入れとしては問題ありません。
むしろ新品で購入してすぐにクリームやワックスなどで油分を追加してしまうと、表面に曇りが出てしまい、艶が失われる可能性があるので注意しましょう。
また日常的には、柔らかい布地などで乾拭きし、埃や指紋などを拭き取る程度で問題ありません。
またブライドルレザーのお手入れ頻度は特に決まっていませんが、一般的には2ヶ月に1回程度とされています。ただし、ひび割れや毛羽立ちや乾燥などが見られたら、すぐにお手入れをしましょう。
なお汚れ落としの成分を含むクリームなどは変色の恐れがあるので、なるべく使用を控えてください。
ブライドルレザーの表面がザラついたり、ひび割れした時の手入れについて。
ブライドルレザーの表面がザラついてきた時は、表面が擦れてしまったり、あるいは繊維が逆立った毛羽立ちの状態にあります。この場合はワックスなどでブライドルレザー表面をコーティングするような手入れではなく、クリームなどを使って革に栄養を与える「保革作業」を行ってください。
なおブライドルレザーの表面が割れてしまった場合は、基本的には元に戻すことができないので、状況を悪化させないための対応が必要となります。
革の表面をコーティングすることでひび割れの進行を食い止める方法もありますが、自身で行うとトラブルの元となりますので、お買い求めのメーカーやショップ、リペアショップなどに相談することをおすすめします。
ブライドルレザーが水に濡れてしまった時の手入れについて。
ブライドルレザーの伝統製法では、蜜蝋と動物油脂を混ぜ合わせた「ブライドルグリース」が染み込みやすくするよう革の表面(銀面)を削ります。
革の表面を削っているだけにワックス成分が抜けてしまうと水が浸透しやすく、水に濡れた状態を放置しておくと、水染みや水ぶくれ、ひび割れやカビの発生など様々な問題を引き起こします。
水に濡れてしまった場合は、応急処置として以下のお手入れをしてみてください。
�@水につけて固く絞った布で水分を吸い取るように拭き取る
�A水に濡れた部分の周りを均一に湿らせる
�B風通しの良い場所で陰干しする
そのあとに軽く磨けば水のシミや痕は目立たなくなりますが、完全に消えることはないので、どうしても気になる方は防水スプレーを使用するなど事前の処理をしてください。
その際にブルームが出ていたら、乾拭きをして表面に出てきたオイルやワックスを革に閉じ込めるように擦り込んでから、防水スプレーを塗布しましょう。
万双が考えるブライドルレザーのお手入れ
ブライドルレザーは頑強で、最初から油分をたっぷり含んでいるからマメに手入れしなくても大丈夫という意見を耳にしますが、やはり革なので、それなりに手入れが必要です。
最初はブルームが出ているため、プレケアとしてある程度ブルームを取るために、乾いた柔らかい布、または柔らかめの馬毛ブラシで磨いてください。
その後のお手入れの基本は、使用後のブラッシング。また表面が乾いてきたと思ったら、クリームなどを使った「保革」の手入れがおすすめです。
なお誤って洗濯機などで洗ってしまった場合でも、復活させることは可能。弊社オリジナルの「エイジングクリーム」を使えばご自身でも手入れ可能ですし、上野の店頭に持ち込んでいただければ、その場で対応いたします。