日英「ダレスバッグ」ブランドのバックボーンを探る。
「ダレスバッグ」を手がけるブランドは数多くありますが、それぞれの出自や歴史をご存じでしょうか?「ダレスバッグ」を製造するに至った経緯や、世に名前が知られるようになったきっかけなど、ブランドのストーリーを知ると、それまで以上に製品に興味が湧いてきます。ここでは、「ダレスバッグ」を手がける日英の有名ブランドのバックボーンや、世に出たきっかけなどについてご紹介をしていきます。
馬具づくりで得た技術を活かし「ダレスバッグ」を製造する、日本唯一の馬具メーカー。
1964年に北海道に誕生したS社は、当初は馬具のアメリカへの輸出業をメインにしていたものの、時代の変化とともに販路を国内へと転換。
それにともない現在のブランド名へと変更し、馬具づくりで得た技術を活かし、バッグや革小物を製造・販売を始めました。
日本で唯一の馬具メーカーとして、1989年に平成天皇の、2019年には令和天皇の「即位の礼」にて使用される馬車具一式を納入。また2008年の北海道洞爺湖サミットにて、各国首脳に記念品として贈る「ダレスバッグ」を製造するなど、馬具メーカーであるとともに、バッグ・革小物ブランドとしての地位も築いています。
総手縫いの「ダレスバッグ」を手がける、ランドセルづくりの草分け的ブランド。
昭和10年創業のO社は、ランドセルがまだ全国に普及していなかった頃から製造に取り組み、学習院初等科をはじめ国公私立校の指定ランドセルを数多く手がけてきた、ランドセルの草分け的存在です。
ランドセルの手縫い技術は日本独自のものと言われ、そこで培われた二本針手縫いやハンドメイドの技術を継承、さらに発展させることで、総手縫いアタッシュケースやダレスバッグ・ビジネスバッグ・財布・革小物などの製造に繋げています。
現在までに文部大臣賞連続7回、通産大臣賞、東京都知事賞11回、経済産業大臣賞など、数々の賞を受賞している、日本を代表するバッグ・革小物ブランドです。
英国王室御用達ブランドのOEMを手がけ、「ダレスバッグ」製造の技術力を磨く。
1979年にスコットランド中西部にて創業したG社が、高い技術力を身につけるに至った理由として、「W&H GIDDEN」のOEMを手がけていたことが挙げられられます。「W&H GIDDEN」と言えば1806年創業、1815年にロイヤルワラントを授与した由緒あるブランド。ロイヤルワラント授与歴としては英国レザーブランドとしては最も古いと言われています。
この英国王室御用達ブランドのOEMを手がけることで職人たちの技術力が飛躍的に向上、扱いの難しいブライドルレザーでも随所に工夫を施しながら、現在でも「ダレスバッグ」の製造に勤しんでいます。
犬の首輪やリードで、あのラルフ・ローレンに見出された英国ブランド。
1875年にイングランド北西部に位置するウォルソールという町で創業したW社は、貴族たちに納品する高級馬具製造メーカーとして繁栄。
第一次世界大戦後は自動車の普及とともに馬具の需要が激減したため、英国軍に納めるベルトやガンケースなど軍需用のアイテムを製造もしてきました。
さらに1930年代に入ると、ペット用の首輪などの製造を開始。ほとんどが乗馬用の鞍に使用されていたブライドルレザーを素材とし、当時としては非常に斬新なアイデアでした。
そして世界的に名を知られるようになったきっかけが訪れたのが、1970年代後半。高級百貨店ハロッズのペット用品コーナーで販売されていた同社製造の犬の首輪や、丁寧に手で編まれたメッシュのリードを見たニューヨークのデザイナー、ラルフ・ローレンから「人間用のベルトにアレンジしたい」と依頼を受け、それがポロ・ブランドで商品化されて大ヒット。現在のブランドとしての地位を築くに至っています。
テレビドラマをきっかけに、一気にブランドを知られるようになった万双。
1995年に設立、「製造直売」メーカーとして現在の上野の小さな店舗を開設。以来、原点であり代表作となる「ダレスバッグ」をはじめ、バッグの製造技術の粋を詰め込んだ財布や革小物など、皮革製品の品質と技術の追求をしてきた万双。
設立当初より革製品を愛するお客様から熱いご愛顧をいただいていますが、広く名前が知られることになったきっかけが、テレビ番組と聞くと意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
2014年に「俺のダンディズム」(テレビ東京系)という深夜ドラマでコードバン財布を取り上げていただくと、放送直後からオンラインショップにアクセスが殺到しサーバーがダウン。オンラインショップが復旧するや注文が殺到し、今度は出品してもすぐに売り切れに。
しばらくはこうした状態が続き、多くのお客様にご迷惑をおかけすることになりましたが、それでも品質に妥協することなく、納得のいく製品だけを販売してきました。
その結果、当時お買い上げいただいたお客さまから今でもご愛顧いただいているのが、我々の自慢であり誇りです。