馬蹄は欧米では幸運のシンボルと言われ、その形を模した小銭入れは古くから存在していますが、あまりに製作に手間がかかるために手がけられる職人が年々減り、世界中のブランドが取り扱いを止めています。
万双でもしばらく製造をストップしていましたが、製作環境が整ったためこのほど製造販売を再開することとなりました。そのクラシックな風貌と、使い勝手の良さ、総手縫いによる強度の高さなどをぜひご堪能いただければと思います。
商品の特徴
Feature01 職人の熟練度が問われる特殊な手縫い
世界中で稀少な存在になりつつある最大の理由が、その特殊で手間のかかる製法にあります。革と革を直角に貼りあわせ、斜め45度くらいの角度で革をまたぐように斜めに縫う、「駒合わせ」と呼ばれる特殊な方法で縫製。さらに「胴」部分と「マチ」の形状が異なるために縫い目がずれてしまうことから、途中で調整しながら縫いすすめるという、職人の熟練度が問われる総手縫い仕上げとなっています。
手のひらサイズながら、ベテラン職人でも一つを縫い上げるのに3時間近くを要する、職人泣かせの製品なのです。
02 見た目以上の収納力と高い視認性
馬蹄型小銭入れは、開くとフラップが付いたポケットを装備していますが、その裏にあるスペースに小銭を収納する構造になっています。
傾けると小銭が手前の蓋部分へ滑り出てきて中身が一目瞭然になるという仕組みで、視認性の高さが抜群。また見た目以上に収納力が高いのもポイントです。
フラップが付いたポケットはマルチスペースとなっており、紙幣を折って一枚ほど収納できるので、近所に買い物などに行くのに携帯すると便利です。
03 密閉性を最適化するために、パターンをミリ単位で調整
馬蹄型小銭入れの最大の特徴は、留め具をまったく使わずに摩擦だけでフタを止める構造。そのため、フタと本体の隙間がキツすぎると開閉できなくなり、逆に少しでもユルくなるとパカパカと開いてしまいます。万双では、開閉に手間取らない程度に密閉性を高めるために、パターンをミリ単位で調整しています。
なお、ご購入当初は革が馴染んでないことから、やや開閉しにくい場合もありますが、お使いいただくうちに解消されます。
04 手のひらサイズですが、細かいところも手抜かりなし
土手部分の芯材にも耐久性を高めるためにブライドルレザーを使用。また「つまみ」は革を2枚貼り合わせることで、掴みやすい厚さにするとともに強度を上げています。
他の製品同様、こちらの馬蹄型小銭入れも、細かいところや目で見えない箇所にもこだわり抜いています。
05 革はコードバンを使用、カラーは2色展開
伝統的な水染め染色方法である「アニリン染め」が施されたコードバンを使用。使い初めはマットな表情ですが、ご使用いただくうちに革内部のオイルが表面に湧き上がり自然な光沢が現れます。
カラーバリエーションは「ネイビー」と「ボルドー」の2色展開。 通常財布はブラックやブラウンを用意するのが鉄則ですが、カジュアルな用途で使っていただきたいという想いから、この2色をご用意しています。 なおどちらの色もシックな仕上がりですので、ビジネスでの使用にも差し支えはありません。
革の紹介
Mansaw’s Leatherコードバン
「革のダイヤモンド」と言われるほど希少価値が高く、従来の革と比べ突出した堅牢性を誇り、美しい光沢が特徴のコードバン。万双が採用しているコードバンは、伝統的な水染め染色方法である「アニリン染め」によるもので、使い初めはマットな表情ですが、ご使用いただくうちに革内部のオイルが表面に湧き上がり自然な光沢が現れます。また折り曲がりの部分はストレスがかかり起毛しやすくなるため、職人が事前に屈曲性を確認しながら最適な部位を選んで使用。これにより、どんなに使い込んでも、コードバン特有の艶や光沢をお楽しみいただけるよう努力しています。お手入れの際は、柔らかい布であまり力を入れずに乾拭きをしてください。また定期的に万双エイジングクリームを使用することをおすすめします。
商品詳細
Detail素材 | コードバン |
---|---|
ライニング | ブライドルレザー |
サイズ | W7.0/H7.3/D2.0(cm) |
重量 | 37g |
機能 | 小銭入れ×2 |
万双について
About Mansou“独創的でありながら、普遍的な粋を語れる革製品メーカーであり続ける”
手間ひまをかけて丁寧にコバ処理がされている製品は、コバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なため、何十年と使用された製品も、コバ磨きをすることで再び輝きを取り戻し、長くお使いいただくことができます。
クロコダイルの革はクロム鞣しのため、タンニン鞣しと比べるとコバが綺麗に仕上がりにくく、万双では通常の倍近い時間をかけ、財布の命とも呼ばれるコバを丁寧に磨き上げ、最高に贅沢な仕上げを実現しています。
秀麗で堅牢たるステッチ
皮革製品は手縫いの方がミシン縫いより優れているように思われがちですが、手縫いが全てにおいて優れている訳ではありません。
万双は、手縫いとミシン縫い両方の長所を兼ね備えた縫製に拘り続けました。
その結果、万双が採用しているのが「菱縫い」。
刃物で切るように、スッと革に菱型の縫い目を開け、ここに糸を通してキュッと締め上げると、糸が斜めになって収まる。これを丹念に繰り返していくと、一目一目が綺麗に斜めになった縫い目ができあがります。
「見た目が美しく耐久性に優れたステッチ」。
これが万双の「菱縫い」の特徴です。
厳選された部品の数々
商品細部にこだわり、実用性とデザイン性のバランスを絶えず意識しながら、最高品質の製品を提供する万双。
この飽く無き追求心は、製品の細部にも宿っています。
たとえば、鞄の持ち手。一般的にはゴム芯やアルミ合金などに革を巻き付けて作られるものが多いのですが、万双が採用しているのは、革を積み上げ削り出した持ち手。
革の塊を積み上げた後にくり抜き、さらに鉋を用いて曲面を調整。こうして生み出された持ち手は、手のひらへの馴染みが心地良く、また使い込むほどに、使い手に合ったハンドルへと変化していくのです。
そのほかにも、鞄に使用する金属は、すべて真鍮の削り出しを使用するなど、万双では、常に製品全体のバランスを考え、労を惜しむことなく、何を採用するのが最善であるかを常に考え製作を行っております。
手間を惜しまないコバ処理
手間ひまをかけて丁寧にコバ処理がされている製品は、コバが傷ついてしまっても何度でも磨き直しが可能なため、何十年と使用された製品も、コバ磨きをすることで再び輝きを取り戻し、長くお使いいただくことができます。
万双では、製品をご購入いただいたお客様と共に製品を育てていくという考えに基づき、コバ処理には一切の妥協をいたしません。
拘り抜いた道具
使用する道具は、ヨーロッパ製から日本製まで世界各国の厳選された逸品が並びます。
職人は、自分のスタイルにあった道具を選び、自分自身の確立されたスタイルで製品を組み上げるのです。
また、持ち合わせの道具では上手く製品を組み上げることが困難な場合、職人自らが、何年もかけて納得のいく道具へと改良を施します。
徹底的に完璧な組み上げにこだわった、万双の職人らしい発想であると思います。
万双が、あえて製品にブランドマークを刻まない理由
万双の使命は革に新たな息吹を与え、末永くご愛用頂ける製品を提供し、お客様と共に育んでいくことであると考えております。
革は、身につけていくうちに、ご自身だけの皺や傷が刻まれ表情が変わっていきます。
万双が、あえてブランドマークを製品に刻まなくとも、ご自身の生きた軌跡が革に刻まれていくのです。
情熱至上主義
技術の修得は、職人になるために必要不可欠です。時間をかけて経験を積めば、職人の基礎的な技術は身に付ける事ができるでし。しかし、技術と経験に加えて忘れてはいけないのが「情熱」。
本当に才能のある職人は、対象物に対して「情熱」を持ち続ける職人の事を指すのではないでしょうか。
製品の企画、組み上げ、メンテナンス、全てに全力で取り組む万双の職人。
万双は職人の高い技術と経験、そして「情熱」によって支えられているのです。