コードバンが傷つきやすい理由と、その対処法を知る。
「コードバンは傷つきやすい」という話をよく耳にします。
しかしその理由や、正しい対処方法をご存知の方は、それほど多くありません。
ここではコードバンが傷つきやすい理由や、傷がつかない方法、傷がついた場合の対処の仕方などについてご紹介します。
コードバン製品に興味がある方は、ぜひご覧ください。
コードバンは傷つきやすいが、丈夫な革である。
一般的な革には表面と裏面があります。専門用語で表面のことを銀面(ぎんめん)、裏面のことは床面(とこめん)と呼びますが、コードバンには表面(銀面)がありません。
普通の革は表面(銀面)が強くて丈夫なのですが、コードバンは銀面から数ミリ下にある「コードバン層」と呼ばれるコラーゲンの層の方が丈夫なため、ヤスリがけをして銀面を取り払ってしまうからです。
ヤスリがけした後の毛羽立った毛をグレージング作業で寝かし付け、艶を出しているのがコードバン。
コードバンはキメが細かくスムースな表面は傷に弱く、また光沢感が強いため細かな傷も目立ちやすいと言えます。しかし堅牢性が非常に高く、牛革の3倍と言われるほど。
傷つきやすいことから「コードバンは弱い」と考えがちですが、実は非常に丈夫な革なのです。
傷つきやすいコードバンのお手入れ方法とは。
コードバンを使った靴の場合は、アスファルトなどで擦ってしまい表面が削れてしまったり、また革小物の場合は爪で引っかき傷を作ってしまうことはよくあります。
もしこうした細かな傷やスレが気になるようでしたら、使い古したシーツや下着などの柔らかい布で乾拭きすれば馴染んで目立たなくなります。
なお乾拭きする際は、硬い繊維の布やブラシなどを使用すると傷の原因になるので、ご注意ください。
乾拭きをしても目立つような傷は、コードバン専用のクリームなどをごく薄く塗り込んで磨くと目立ちにくくなります。ただしクリームの塗りすぎはコードバンの光沢を失うことにつながるので、クリームは用法・容量を守り、経年変化で傷が馴染んで来るのを待ちましょう。
傷つきやすいコードバンのお手入れの基本は「馴染ませて目立たなくなるまで待つ」。これが基本です。
傷つきやすいコードバンを守る方法について。
「どうしてもコードバンに傷をつけたくない」という方は、他の小物などとの接触を徹底的に避けてください。
とくに鍵のように硬く尖った物と一緒に持ち歩く場合は、鍵をキーケースにしっかり収納するなどして、コードバンが傷がつかないようにしましょう。
さらにバッグの中でコードバンの小物があちこちに動かないよう、バッグの内ポケットに収納して持ち歩くなどして、他の小物との接触を避けるようにしてください。
万双が考える「コードバンの傷とお手入れ」。
コードバン製品をご使用するにあたって、最初に知っていただきたいのは、「傷もコードバンの魅力の一つである」ということです。
コードバンは傷が目立ちやすい素材だけに、日常使用をしていれば必ず傷がつきます。
とくに弊社が使用しているコードバンは染料仕上げにより自然な風合いを生かしているので、顔料コーティングを施したコードバンに比べると、傷が目立ちやすいのが正直なところ。しかしそれが本来のコードバンの味である。私たちはそう考えています。
浅い傷であればブラッシング程度でそれなりに目立たなくなりますし、弊社オリジナルの「エイジングクリーム」を使って磨けば、コードバン特有の艶や光沢が蘇ります。
店頭までお持ちいただければ、弊社スタッフがその場でコードバンのお手入れをさせていただきますので、遠慮なくお申し付けください。