ホーウィン社のコードバンの魅力と、その秘密。

ホーウィン社では、バスケットボールやアメリカンフットボールのボール、さらには野球のグローブに用いられる皮革まで幅広く取り扱っていますが、同社を代表する皮革が「シェルコードバン」。
ホーウィン社は創業以来、コードバンの製造過程において創業当時から同じ手法・道具を使うことにこだわり続け、皮を革へと変化させる工程である「鞣し」の大部分を手作業で行い、その期間は約6ヶ月とも8ヶ月とも言われています。
馬の臀部（でんぶ）にしか存在しない緻密な繊維層を裏側から削りだし、熟練の職人によって時間をかけて鞣された革は、通常のコードバンと比べ重厚に光る艶が特徴で、その光沢が貝殻（シェル）のように独特な美しい輝きを持つことから、「シェルコードバン」の名前が付いたとされています。

ホーウィン社では、起源がエジプトにまで遡る古来からの鞣し方法である「植物性タンニン鞣し」を採用しています。
ピンホールと呼ばれる毛穴の痕や血筋（血管の痕）など、革の自然の風合いが極めてそのまま残るこの仕上げ方法により、革本来の風合いが楽しめ、使い込むほどに独特の輝きを放つのがホーウィン社製コードバンの魅力です。
また、革内部の特殊なオイルが時間をかけて革表面にコーティングをかけ、ムラ感のある独特な表情と、滑らかな光沢を生み出します。

ホーウィン社のシェルコードバンは、丁寧に植物タンニンで鞣された後、たっぷりとオイルが充填され、職人が一枚一枚を丁寧に磨き上げることで独特の光沢が生まれます。
本来コードバンは硬く緊密な繊維層を持つ馬革ですが、オイルを長時間浸透させて柔らかくするホーウィン社独自の技術により、しなやかで強靭な革へと変化させているのが特徴。
そのため折り曲げた部分もオイルが抜けることなく、カサつくことがないのがホーウィン社コードバンの最大の魅力です。
また手にとった時にしっとりとした質感があり、他のコードバンと比べやや重みを感じるのも、オイルが潤沢に含まれているからです。

使い始めは、特有の繊維が立っている（毛羽立ち状態）ですが、手の平や指の腹で気長に撫でていると繊維は徐々に寝てきます。
そして完全に繊維が寝た後は、柔らかい布で乾拭きすればシェルコードバン特有の艶が出てきます。
ホーウィン社のコードバン革には非常に潤沢なオイルが含まれているので、基本的に使用を始めてから約１年間はクリームを入れる必要はありません。
早く光沢を出したい場合でも、自然なエイジングに任せ、定期的に柔らかい布で乾拭きをするくらいで十分です（※過剰にクリームを塗布すると、艶がまったく出ない症状を引き起こす可能性があります）。
長期間の使用後もオイルが不足することはほとんどありませんが、乾燥や表面の繊維質のザラつきを感じましたら少量のクリームを布に馴染ませて全体に伸ばし、柔らかい布でよく磨いてください。